父親殺しで収監された女性の心を理解しようとする臨床心理士と国選弁護人、二人の心の成り立ちをも丁寧に描かれています。ただ、彼らの背景に浮かび上がる父親と母親の姿がワンパターンに過ぎるのではないでしょうか。

 終盤に出て来る裁判の場面は、簡潔で分かりやすかったです。

 まだ若い作家なのに、読ませますね。これからの作品を期待したいと思います。